馬奈木厳太郎氏による性加害について
3月3日、舞台俳優の知乃さんと代理人弁護士が会見を行い、馬奈木厳太郎弁護士による性加害の実態と損害賠償を求める提訴についての表明がありました。前々日の3月1日には、馬奈木氏がウェブ上に「ご報告と謝罪」と題した文書を公開しています。
私と馬奈木氏は、SAVE the CINEMA、WeNeedCultureの一員としてミニシアターや文化芸術分野を支援するための活動に関わってきました。馬奈木氏の行為は断じて許されるものではなく、被害者が受けた痛みと正面から向き合い、心からの謝罪と共に、回復のため誠心誠意の償いをすることを望みます。そして、被害を受けた方が今後、二次加害やバッシングから守られることを切に願っています。
創作のために安全な場所は必要不可欠です。馬奈木氏は映画・演劇界においてハラスメント防止のための講習を開いており、私はその知見を信頼していました。今回の報道に触れ、深い失望と怒りを覚えるとともに、私のこれまでの活動によって更なる加害に加担していた可能性がある事実を、大変重く受け止めています。不明を恥じ、お詫び申し上げます。
性暴力が生じない社会に変わっていくためには、被害当事者の声に耳を傾け、お一人おひとりの意思と感情を尊重すること、そして社会全体で「性暴力を許さない」という共通認識を形成していくことが必要だと考えます。私自身も、あらゆる権力関係を常に意識し、加害行為を行ったり、加担することがないよう自らを省み、社会における性暴力とハラスメント撲滅のために出来うることを重ねていきたいと思います。
2023年3月9日 西原孝至